ひょんなことから新設された学校の執行部を任されてしまった主人公、由槻怜。
ほぼ白紙である学校を少しでも良いものにしていくため、怜は一癖のある執行部メンバーたちとともに奮闘する。
そして、いつしかそこは、怜たちにとって心から大切に思える場所へと変わっていく―――。
シナリオ:6
右も左もわからぬ主人公が学校を一から作り上げていくうえで仲間たちと奮闘する・・・っていうのがあらすじという事で、すごく面白そうなコンセプトである今作。
しかしそこまで大きな苦難が怜たちの前に待ち構えているわけでもなく、問題が生じたとしてもプレイ後に「あれ?何か苦労したっけ??」と思わず首をかしげてしまうほど何事もあっさりと解決してしまいます。
地元のコミュニティとの付き合い方とか、色々面白く持って行けそうな話は合ったのですが…。
とりあえず、主人公達の前に立ちはだかる様々な問題を仲間たちとの絆で解決してくっ!なんて恋色空模様のような展開を期待すると拍子抜けすること請け合いです。
これは個別ルートにも言えることで、そこまで大きな問題に直面するわけでもなく、全体として物語の起伏に乏しい印象はぬぐえません。
またコトラの力や過去、主人公の家庭、ステッチさんの男設定など投げっぱなしな伏線がちらほら見受けられます。
こういったものも含めて、シナリオをもう少し練れば面白さが増したのでしょうが…ううむ、もったいない。。
もしやFDへの伏線なのか!?
一方で共通、個別√ともに鬱や不快な展開も特にないので、キャラゲーとしては良かったのかな・・・とポジティブに考えることにしましょうw
ちなみに本編かなり短いです。選択肢に至ってはひとつですw
大体共通3〜4時間に各√が3時間程度なので総プレイ時間は18時間弱。
メインヒロイン全員クリア後にかなか様のおまけシナリオが解放されます。
本編をやっていると蓮子の気持ちが思わず納得できるほどかっこよくも可愛い娘ですので、彼女のルートをFDなどにせずちゃんと作ったのは素晴らしいですね。
あとOPの挿入の仕方は逸品だったと思います。
キャラ:8
初芝 希沙
怜の幼なじみであり同級生。仁科分校執行部の会長を任されてしまう。
よくある幼なじみのように主人公への好感度がMAX、というよりもむしろ関係が近すぎるために恋愛感情ではなく友情のような感情になってます。
お調子者で気分家で安請け合いの天才。しかも努力するのも嫌と言うダメダメっぷりがシナリオ中でも如何なく発揮されます。
事あるごとに主人公を頼ってくるけど、それに嫌そうにしながらも思わず助けてしまう主人公との関係が上手く描かれていました。
お互いに信頼しきっており、言動の節々にそれが見て取れるのが良かったですね。主人公からの扱いが一見ぞんざいなんだけど、意外と希沙の事を考えてたりとか。
残念系幼なじみという事ですが、すごく新鮮なキャラでしたね。
一歩間違えればウザいキャラになりかねないと思うのですが、絶妙なさじ加減で終始可愛く感じました。
彼女シナリオでは告白シーンは本当に素晴らしかった!二人の距離感が見事に集約されてました。間違いなく本作屈指の名シーン。
その後に続く初々しい二人の姿にはニヤニヤしっぱなしでしたw
シナリオの山となるコトラの問題は正直蛇足のようにしか思えなかったです。しかも解決もあっけなさすぎるし…。
というか人を集められた時羽がすごすぎるだろ…
恋愛感情に気づいていない分、彼女以外の√に進んだときもあっさり応援してくれるので罪悪感を感じ辛いのもGOODw
いそうでいなかった?残念系幼なじみ。可愛すぎるぜ!
篠山 時羽
ミステリアスな雰囲気を漂わせる無口な女の子。
彼女はヒロイン中唯一執行部に所属せず、手芸部を立ち上げます。
ただでも引っ込み思案な性格に加え、そのせいもあってかなり影が薄いです。
彼女にシナリオでは実家である篠山組のお話になるのですが…すごく微妙。
付き合うときに特に何かされるわけで無し、終盤の展開も茶番だあああああああ! 恭介ええええええええ!
普段作る素敵なセンスの人形しか印象にないです、ハイ・・・(^_^;)
姫野川 コトラ
かなかの妹で、今作のきっかけを作ったキーパーソン。
姫野川家で匿われるように育ったため、一般常識に疎く、純粋無垢。
学校に通えるようになったのを喜んでおり、勉強を始め何でも学ぼうとする姿勢で主人公に教えを乞う様子はすごく可愛かったです。
過去に誘拐され少女時代を密林で過ごしており、立派な野生児として成長した・・・という壮絶な過去を持ちますが、本編で生かされるのはごくわずか。
力がすごく強かったり、動物と喋れたりというのがさらっと語られるだけでした。
彼女の√ではその片鱗が少しだけ垣間見えますが、ご多分に漏れずあっさり解決してしまったり。。
とりあえず私服、ウェイトレス服なんかはこれぞロリ!という感じがして最高です(殴
小星 蓮子
筆頭執行部会長・姫野川かなかの右腕──! を、自称する暴走少女。
かなかに心酔しきっており、突然現れてかなかの信頼を得てしまった主人公に対抗意識を燃やしてきます。
共通√では正直うざい暑苦しくて好きになれなかったんですが、個別ルートに入った瞬間デレます。
しかもデレた後の可愛さは凄まじいです。萌えます。
個別は特に山もなく本当に平坦なのが残念と言えば残念。
学園祭で迷うことなく主人公と周りたいと答えたり、会長への愛はどうしたとか明らかにデレるの早過ぎだろとか思いましたがもう可愛いからどうでもいいや(ぇ
姫野川 かなか
“意思をもったギロチン台” などの数多くの異名を持ち、圧倒的な実力と権力とカリスマ性で八宝山学院に君臨する執行部会長。
・・・なのですが、本編では事あるごとに助言をくれたり助けてくれたりするので、そこまで恐ろしい印象はなかったり。
おまけ√では序盤をかなか視点で見られるのは面白かったです。
シナリオは短いですがおまけだしまぁ仕方ないかな。
とりあえず普段からは想像もできない可愛いかなかが見られただけで幸せですw
洗濯物のシーンとか最高でした。
由槻 舞花、ステッチ、篠山暁他・・・
ステッチさんが男の人だなんて知らなかったよ…。プレイ後に公式サイト見て初めて知ったというね
あと良い大人であるはずの舞花や暁は言動が幼稚で正直うっとおしかったりとあまり良い印象はないですね。
暁は男の悪友的ポジションにしたかったんでしょうけど、それならもっとやりようはあったような?
主人公:8
由槻怜
道理に合わないことを嫌う主人公。
理屈っぽいのは生来の性格なのだけど、ダメな母親とダメな幼なじみの世話を焼いているうちに、拍車が掛かってしまった苦労人。
道理云々には一部?なところもありましたが、なんにせよこの主人公、かなりのやり手です。
常に冷静でかしこく、気配りもできる。
さらには相手が誰であろうと怯むことなく論理的に話せたりとよくできた大人のような性格です。
特に希沙への気配りは素晴らしく、幼少時の手紙のエピソードなんかは良かったですね。
思わず惚れてしまうのも納得の良い主人公だったと思います。
告白のシーンなんか主人公かっこよすぎでしたw
音楽:7
可もなく不可もなく、日常をもさりげなく盛り上げてくれるBGM達。
中でもダイヤミックデイズ、逆転のテーマなどは普通に耳に残る良曲だと思います。
OP、EDテーマはどちらもいい感じ。
特にOPは聞いてるだけでワクワクしてきますね。
絵:7
要所要所でCGが入っていたりと普通によかったです。枚数も不満なし。
ですが立ち絵の基本のポーズが2枚しかないのは少し不足気味。
せっかくコロコロ表情が入れ替わる演出があるのにもったいないな・・・と。
SDキャラも可愛いだけにアイキャッチメインなのが残念。
とりあえずせせな氏の絵が気に入れば特に問題がないと思います。
システム他:8
ワイド対応、スキップも軽快と文句なし。
ただ選択肢1個なのでスキップ使われることが少なそうなのが可愛そうなくらいw
会話中にもキャラの表情がコロコロ変わったりと演出も割と凝ってました。
総評:72
奇をてらったハログバの失敗を糧にしたのか、すっごくふつーーーーなシナリオだったと思います。
ですが、これぞ角砂糖という感じですね。
もう少しシリアスになりすぎない程度にシナリオに深みを持たせれば十分名作にもなれたと思いますが、キャラゲーとしては及第点。
魅力的な設定や広げられそうな伏線はあるのにもったいない・・・。
何はともあれ、Lump of sugarには変に凝った設定のシナリオゲーよりもむしろこの路線で極めていってほしいところです。
オススメ攻略順は特にありませんw
特にシナリオが関わることもないのでお好きな順番でどうぞ