神に救われた世界。 そして神との対話が許される唯一の存在、μ。
楽園と煉獄 2つの貌を持つ学園、聖ソルイルナ学園。
少女たちの願いが交錯する聖なる女学園に今、一途な女装主人公が足を踏み入れる――
きっとこれは、神様を■す物語。
シナリオ:8
圧倒的な文章力と(色々な意味で)他を寄せ付けない超展開でおなじみ、お朱門ちゃんが送る、女装潜入ラブコメバトルファンタジー(ぇ
ストーリーは序盤に太陽の学園に行くか、月の学園に行くかの選択で物語の雰囲気が全く異なります。
太陽の学園では麗しの乙女の花園での愛憎劇が繰り広げられるという、いかにもな展開。
神の力である‘奇跡‘の加護もあり、μへと突き進むあやめの姿が見られます。
黒と黒と黒の祭壇以降彼の作品は一応全部こなしているのでプレイ前は身構えていたのですが、前半部分ともいうべき‘太陽の学園‘編は意外に普通だったため若干拍子抜けでした。
一方で、後半の‘月の学園‘、そしてトゥルーシナリオでは朱門っぽさが如何なく発揮されていました。
月の学園では魔術が存在し、3つの派閥が三つ巴の争うを繰り広げる中、あやめと羽音お嬢様の奮闘がμとなるべく迫りくる敵を打つ倒しながら奮戦するという厨二全開のストーリーが素敵です。
トゥルーは相変わらず超展開なのですが、「いつ空」や「きっと澄み渡る〜」などと比べれば全然マシなもので、またシナリオの随所で先生の金言が登場したせいもあってかそれほど突飛な印象は受けなかったです。
そういう意味ではより一般向けのライター朱門優入門作とでもいうような感じかな。
逆にいつものお朱門ちゃんを期待してると物足りなさすら感じてしまいますw一方でさ
あとこの作品の面白いところとして、全編が主人公、あやめの語り口調で進行する点でしょうか。
もともと使用人という身分で女装して潜入中という事もあってすごく丁寧な言葉づかいだったので新鮮でした。
またこのあやめが色々と凄い人物なのですが、詳しくは主人公の項にて。。
各シナリオのラストに「きっとこれは、神様を■す物語」と挿入される演出はすごく良かったと思います。ただ一部EDでは今一つシナリオに即してない感はありましたが。まぁ自分の理解力不足でしょうね
世界観について必要最小限しか語られないのですが、物語にとって必要のない要素なので特に気になったりはしませんでした。
ただ、あやめの両親や小さいころにいた施設については少し説明がほしかったですね・・・。
最後も「俺たちの戦いはこれからも続くんだ」みたいな話が若干出てきますが、読後感も悪くないです。
いつ空ではエフェクトのひどさも相まって戦闘シーンがイマイチでしたが、今作ではカットインやエフェクトが割と頑張っているので楽しめます。
お嬢様カッコいいよお嬢様!
キャラ:7
夕星 羽音
あやめの恩人であるお嬢様。
一本気な性格で、まがったことを許さず、筋を通そうとする武人のような豪胆さを持っています。
一方自分の事となると不器用で、あやめの事が気になるけど素直に言い出せない・・・というか恋だと気付いてないのですが、それを意識しだして恥ずかしがるといったギャップには萌えます。
途中魔術師として覚醒するシーンや月の学園の先輩に魔術について語る姿は本当にかっこよかったです。
あとあやめと友情を再確認するシーンにしてもそうですが、女の子的な可愛さよりもかっこよさの方が全体的に際立っていました。
相手の女が処女であるか100%に近い精度で分かるジャッジメントという能力を持ってますが、あれ正直いらなかったよねw
以下ネタバレにつき反転
埋め込まれた罪は強欲・・・だったはずですがイマイチピンとこないんですよね・・・。
つみれ先輩に教えを乞う姿や、なんとしてでもμとなりあやめの事を神様にお願いする・・・といった姿がそれにあたるのかもしれませんが、罪の影響がなくても羽音ならそれくらい当然のようにしそうな気がするw。
それとも羽音のそういった生き方まで実は強欲の影響なのだろうか・・・。そう考えると恐ろしいですね。
反転ここまで
双見 空
公式サイトにも書いちゃってるんで遠慮なく書きますが、あやめの弟・・・と見せかけて実は妹。
ちょっとしたきっかけで男装して以来引っ込みがつかなくなって兄のため女装し続けている良い子ですw
プロローグから体を張ってギャグを披露してくれたり、様々なキャラと絡んだりと両学園においてムードメーカー的な役割を担います。
一方で姉であるあやめが困ったときは危険を顧みずに駆けつけてくれるナイスガイ(だが女だ
色々と不可能だと思われることを平然とやってのけますが、空ならやれる気がしてしまうから不思議。
本人のルートでは彼女の意外な過去について語られ、さらにあやめとの絆が描かれるトゥルーでもその存在が光ます。
夏日 ひかる
太陽の学園の生徒会長。
普段はお淑やかで生徒たちのあこがれの的・・・なのですが、旧知の仲であるあやめの前では‘素‘の彼女が姿を見せます。
裏表あるヒロインのギャップに魅力を感じてしまう私としてはその素のひかるは凄まじく魅力的でした。CV遠野そよぎさんだしね☆
実はあやめが男だと知っているのですが、にもかかわらずデート中にパンツを見せたりしたのは改めて考えると思わず頬がにやけてしまいます
ただ太陽の学園ではあやめの当初の目的であるお嬢様への恩返しそっちのけなので、いいのかな?といらぬ心配をしてしまったりw
夏日 照
ひかるの妹。完璧な姉に対してコンプレックスがあり、自分に自信がない。
自分で無能だと思い込んでますが、別にそんなことないと思うけどなぁ・・・。
シナリオ的に損な役回りをさせられるかわいそうな子です。
一応終盤にその理由が明かされるので嫌わないで上げてくださいw
ヴァルヴァーラ・ビクトロブナ・レーニナ
ロシアからやってきた天才少女。愛称はアーリャ。
新入生にもかかわらず生徒会に抜擢されるほど。
最初は他人との間に壁を作っており、孤立していますがあやめの奮闘?で他者にも心を開くようになります。
じつはあやめが男だと真っ先にばれるのが彼女なので秘密を共有する仲間意識や安心感もあり、すごく頼れる存在です。
最初こそ無口ですが、心を開いてからは空気を読んでいろいろ配慮してくれたりします。このギャプのせいもあってすごく可愛い!
だがしかし!!
アーリャ√なんてなかった。。。
いやー普通は最初に男だとばれて、さらにムラムラしたところを処理までしてくれる健気な女の子なんて絶対攻略可だと思うじゃないですか。
それにキャラ数的にも夏日姉妹だけだと少な過ぎるし、アーリャもいれば3人でちょうどいいし・・・。
最初のえちぃシーンは彼女の絡みだし。絶対個別√あると思うじゃないですか!
だがそんなものはなかった……OTL
こんなの絶対おかしいよ!!!
だいたい騎士団のごついオッサンとか鷹司姉妹とかの立ち絵用意する暇があったら彼女のルートをだな(以下略
どうしてルートがないんだアーリャーーーーーー!!!!
十二次 憩
月の学園の御三華(レジメント) 『零(シュラーゲン)』 の後継者。
あやめが魔術の師事をする人物。物語中でもキーパーソン・・・だったはずなんですが、エロ担当だったイメージしかない(ぁ
いや、作中でもかっこよかったですヨ?世界に誓約するシーンはグッときました。
トロッケンハイト・フォン・メルクーア
『月の学園』 の御三華(レジメント) 『双鉗(ミリアーデ)』 の後継者。あやめ曰くトロ先輩。
月の学園であやめ達が立ち向かうことになる、月の学園を支配しようとする女帝。
冷徹で傲慢な姿がシナリオ中で多いのですが、最後に責任をとってあやめの背で戦う姿や羽音に赦しを請う姿の方が印象的ではあります。
根は良い子なんですが、やはり損な役回りを演じることになったのはかわいそうと思ったり。
終盤彼女によって引き起こされた抑圧の魔術外登場なんかは「いつ空」を彷彿させる、いかにもお朱門ちゃんっぽい展開だなぁなんて思ったりw
黒渦つみれ、ホルバイン、シーザー、先生
つみれ先輩は想像以上にかっこいい人でした。レジメントが力を合わせるシーンなんかは結構熱かったですね。
ホルバインや先生はもちろん、プロローグとエピローグでちょこっとしか登場しないシーザーも無駄にすごい存在感を示してます。
シーザーさんもっと活躍すると思ってたのに・・・残念。
というかシーザーはエピローグを見ていて先生と同じ天使の一員じゃね?とか思ったんですが特に語られなかったですねw
主人公:10
双見 あやめ
羽音お嬢様に恩返しをするために女子高である聖ソルイルナ学園に入学することになった主人公。
使用人としてお嬢様に使えているため礼儀正しく物腰も穏やか。そのせいもあってかアーリャを除いて誰もあやめが女だと気付きません
こんなに可愛い子が男の子なわけがない
それでいて羽音お嬢様と同じく男らしい一面も持ち合わせており、先生によって鍛えられたセフィロト流武術を駆使して立ちはだかる敵をなぎ倒していきます。
可愛い、強い、性格良いとなにをとっても完璧超人なあやめさん、とにもかくにも非の打ちどころのない素敵な主人公でした。
√によってはハーレム展開になったりしますが、あやめならば仕方ないと思えたりw
ちなみに全編ボイスありなんですが、声はクドでおなじみの鈴田美夜子さんが担当されています。
鈴田さんのキャラはクドと「秋空に舞うコンフェティ」の奏衣の印象が強すぎるせいで全く別の方だと思っていましたwいやー、声優さんってすごいです。
戦闘中に熱く叫ぶことがあるのですが、ボイスのおかげですごく印象的でした。
あと序盤は無双っぷりを発揮するあやめさんでしたが、終盤敵が強大になると力不足な感じになります。でも腕力で強引に解決するよりはむしろその方がよかったですね。
ただ終盤先生に向かって「それを言っていいのは親だけだ!」と叫ぶシーンはお前親知らないじゃん!と思わずつっこみそうになりましたがww
信じられるか・・・?男なんだぜこの娘w
音楽:8
音楽はTynwald musicという事で期待してましたが・・・実はそれほど印象に残ってないかも(^_^;)
いや、これは単に「もしらば」や「きっ澄み」の楽曲のクオリティが高かったせいでそれと比べてしまうからですかね。
改めて聞いてみると雰囲気に合った良曲が多いです。‘人が人でいる証明‘なんて聞いてるだけで戦うあやめたちの姿が思い出せます。
主題歌はWhite-Lips、という事で安定の神曲。透き通るような歌声が相変わらず素敵すぎます。
OPムービーも動きがあっていい感じです。
絵:8
一部崩れてたような気もしますが、総じて良かったかなと。
戦闘時にカットインみたいに挿入されるCGはどれも物凄くかっこいいです。
特にホルバインやつみれに羽音の戦闘カットイン、そしてあやめが最後に先生を切り抜けるCG辺りは最高でした。
また人物もそうですが、背景や魔術詠唱時の紋章なんかもすごくよくできてましたね。
所々で挿入される暗黒絵師ヨダのSD絵も相変わらずいい味を出してますw
システム他:7
可もなく不可もなく、といった感じでしょうか。
シナリオジャンプはものすごく速かったので好印象ですが、そもそも選択肢がそれほど多いわけではないので・・・
総評:84
朱門氏の作品である「黒×3の祭壇」、「いつか、届く、あの空に」、「きっと澄み渡る朝色よりも」から色々と世界観(宗教色)やキャラクター、ストーリーなどがいいとこどり?されてるような印象を受けました。
近作に比べてコンパクトにまとまっているので、そういった意味で上にも書きましたが朱門優氏の総集&入門編みたいなになっていた気がします。
実際いつ空なんかは人に進め辛い作品だったんですが、これだったら自信を持って勧められるかと
決して一般受けする作風ではないと思いますが、お朱門ちゃんらしい作品を次も期待したいところです。
きっとこれは神様を赦す物語だったんでしょうね。
まぁ一言いわせていただくとすると早くアーリャルート作る作業に入るんだ―――!!
ちなみにクリア後公式サイトからヨダパッチがダウソ出来ます。
クリア後の余韻をぶっ壊してくれるのでちょっと休憩をはさんだ後に是非どうぞw
オススメ攻略順はとりあえず先に太陽の学園に行っておけば問題ないです。